浅ましい人々 2

二番手は翻訳家で政治思想(及びジェンダー。ただし学術的業績はない)が御専門という堀茂樹氏。

カタカナ書きで「エラソー」「ロクに」がなかなか芳しいですね。

呼ばれてもいないのにわざわざ飛び込んで行く。

しかもこれは嘘。何回かやり取りしただけで実名暴きを始めた。

改憲だ改憲だ国民投票を恐れるなと騒ぎ立てるだけなので、基本的人権さえ怪しくなりかねない自民党の憲法案が通ったらどうするのかと訊いたら、人民の意思だ兎も角改憲だと言うばかりで、どうも通常理解されているのとは大幅に異なるらしい立憲主義も民主主義も全く説明することさえできなかった時のことかな? 勧誘も散々された——人民の意思に従えとか言って。それもまた、余り一般的ではない認識ではなかろうか。

ナチスの政権獲得も投票の結果だったんだが(得票率33%だっけ?)不安はないのかと訊くと、それには答えず、ただ、左翼はすぐナチを持ち出す、と言うだけ(ちなみに同じ質問をこの人に向けたのは私だけではないが、答えているのは見たことがない。常に解答は「左翼はすぐに」。私を何故左翼と思ったのかは全くの謎だ)。挙句に、性暴力志向の奴の粘着から逃れる為(粘着というのはね、あなた、例えば数年にわたって性暴力の行使をちらつかせて脅かすことであって、答えが得られないので質問を重ねることではありませんよ)の匿名を得々と暴き、「知り合いなのに」とか言いながら、この人平野某に濡れ衣を着せた人ですよと腰巾着に水を向けられると自慢顔で「私はあれで彼女を見捨てました」と言い放った。事実関係を本人に訊ねることもなく黒認定して見捨てる「知り合い」ねえ。それってあなたがどういう人物なのかをはっきり語っているとは思わないか。

一度、誰にでも見える場所できっちり、御自分にとっての「立憲主義とは何か」「民主主義とは何か」を説明していただきたいものだ。思想的に近いお取り巻き以外は、おそらく誰にもわからないので。何故多くの議会制民主主義を採る国において「人民の意思」とやらが暴走しない為の仕組みが法に組み込まれているのか、もついでに論じていただきたい——もし論じることができると言うのなら。今のところあなたには同意していない人も、もしかすると考えを変えるかもしれないのに勿体ないことをするね。

逆恨みの挙句、わざわざ飛び込みでこんな無様をさらしている暇があったら、まず理を尽くして相手を説得する練習から始めたらどうか。

さすがに悪意で実名暴きをされたらブロックする他ありませんよ。

ご自分の「思想」以外は全て思想の欠如ないし薄弱であり無知であるという認識は、世には様々な考えがあり、耳を傾ければその理路を把握し突き合わせてより良いものにできる筈という私の認識からはかけ離れている(そしてこの認識は、理想として掲げるべきではあるとしても、実際には非常に困難だとも思っている——堀氏のような閉じて先鋭化した思想の人は非常に多く、所謂「トロール」もまた多く、耳を傾けたものかどうか判断に迷うのが実情なので)。

ただし、改憲のような、人々の生活の条件を劇的に変える可能性のある問題について「人民の意思」を絶対視し、結果として惨憺たる状況を招いても構わない、とするのは無責任だ。お話を伺う限りでは(堀氏は粘着と理解しておられるようだが、何を主張しておられるのかは把握させていただいた)、人々が政治的に覚醒することを期待しておられるご様子だった。だが一億二千万人のうち何百万人何千万人かが困窮し飢餓に瀕し虐殺の加害者や被害者になったとしても(自民党の憲法草案はそういうものだと私は考える)、生き残った者が政治的に覚醒し正しい道を歩み始める為の尊い犠牲である、という発想は、余りにも虐殺の世紀であった二十世紀を引きずっている。

二十世紀には、確かにそう考えることが知識人の条件とされ思想と呼ばれたこと、同意しない者が様々な言葉で非難され切り捨てられた時代があった。今でもそう主張する人々が絶えないことは知っているが、それに対しては私は、同意できませんと言い続けるしかない。そして不同意だと言い続ける者を、今やっておられるように、失敗と非難に託けて全面的に却下するような真似は、実に二十世紀の「主義者」らしい、とも、言わざるを得ない。